2009年02月24日

おくりびと

 おくりびとがアカデミー賞の外国語映画賞を受賞したと、
 昨日からずっと報道されています。

 どのチャンネルもおくりびとだらけで、飽き飽きしてくる人も多いでしょう。
 それだけ日本映画界にとっては大したことなのでしょう。

 おくりびとの受賞により、滝田洋次郎監督の名前もおぼえましたし、
 本木雅弘って字がとっても上手だとわかり、広末涼子は年々美人に
 なっていくなあと惚れ惚れしたり。

 死者に対する儀式的な行動から、日本人の風習や心使いが
 現され、それが世界中の他の文化を持つ人々に理解され、
 共感される。
 お葬式を芸術にする発想が世界的にも素晴らしいです。

 世界から日本を再認識できていますね。


 受賞の様子が報道される中、映画のシーンも流されました。

 亡くなった方の唇を濡らす場面があります。

 これはおくりびとだけがする行為ではなく、誰もが気がついた時に
 する行為であります。

 私の祖父の時には、したかどうかはおぼえていませんが、
 父親の時には、一日に何度もやったものです。

 映画のシーンから、自分の時には水ではなくって、お酒にしろと遺書に書こうか。

 月曜日が君盃の大吟醸、火曜日が萩錦の登呂の里、休肝日は週に二日だから、
 水曜日はミネラルウォーターで、木曜日が・・・・。

 そんなに長い間は家に置いてもらえませんね。


 父親の時は病室におくりびとがやってきました。
 女性だったような気がしてます。
 二人で来て、体を拭いて、着替えさせてから自宅に向かいました。

 何を身にまとうかは、遺族の意思で決められるのですね。

 父は私の妹からのプレゼントのランニングウエアーでした。
 それをもらったことをとっても喜んでいて、まだ着ていなかったからです。

 祖父は着物を着ていたそうです。
 父と祖父がおそろいで着物を作ったのですが、着る機会がなく、
 祖父は死に装束として着たそうです。
 生きているうちに袖を通してあげたかったですよ。
 せめて一度くらいは。

 祖父とおそろいの父の着物も父自身は着たことがなく、
 私がおろしてしまいました。
 おろしてから2年目に亡くなったのですが、私としては、そんなに早く
 亡くなるとは思ってもいなかったものですから、拝借したわけです。

 このように死んだ時のことを書いていると、自分の死を近づけてしまいそう。
 だからこれ以上は考えないようにします。

 おくりびとのアカデミー賞受賞から、私ですら、ほのぼのと、
 祖父や父のことを懐古できました。

 世界中の人が懐古し、癒されて、家族仲良くなることでしょう。


 おくりびとはdepartureと英訳されています。
 departureと聞きますと出発とか旅立ちかなと思ってしまいます。 
 一見、哀愁に欠ける気もしますが、極一般的な旅人はTravellerでしょう。

 departureの意味を英和辞典で調べたら、門出とか、古語や詩には死人とありました。

 おくりびとのアカデミー賞外国語映画賞は、私に英和辞典までも引かせてくれました。


 おくりびとは映画館で見れますが、本命と言われていたイスラエルの映画
 「戦場でワルツを」は映画館で上映されるのでしょうか?

 「戦場でワルツを」も是非とも見たい映画ですね。

 「戦場でワルツを」がアカデミー賞外国語映画賞を受賞していたら、
 きっと見たいと思うことがあったかどうかはわかりません。

 おくりびとの受賞が私に「戦場でワルツを」も見たいと思わせてくれています。


 そして、忘れてはいけないのがもう一つ。
 短編アニメ賞を受賞した「つみきのいえ」です。

 もうちょっと大きな話題にしてもいいのですがねえ。

 おくりびと、戦場でワルツを、つみきのいえ。
 受賞しなかった映画だって、素晴らしいのがあります。

 これから子供といっしょに見たい映画がたくさんあり、楽しみであります。


Posted by 丸河屋酒店 at 17:43│Comments(0)
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