丸河屋酒店から喜び一杯

　お車でいらした御夫婦。

　手にはメモをお持ちです。

　お客様は聞かれました。
　「ここに書いてある銘柄のお酒はありますかねえ？」


　私は答えました。
　「ああ、これすべて静岡のお酒ですね。」
　「この中で丸河屋酒店にあるのは・・・・・。」
　「萩錦と忠正と君盃です。」


　「ああ、そうですかあ。」
　「では、それぞれのおすすめを1本づつ教えてください。」


　私は「萩錦　登呂の里」「君盃　めぐりあい」「忠正　忠兵衛」をおすすめしました。


　お客様もラベルとにらめっこした後で、納得されてお買い上げになりました。


　お客様はご自分のメモを説明してくれました。

　「これが静岡の全蔵元なんですよ。」
　「各蔵元のお酒を1本づつ飲みたいと思いましてねえ。」
　「今日は静岡の酒屋さんめぐりをしているのです。」

　「松若や鷹松を売っているお店を知りませんか？」


　私は答えました。
　「ああ、残念ながらその蔵元は酒造りはしていません。」


　お客様もがっかりされて、
　「やはり静岡の蔵元さんでもおやめになることがあるのですねえ。」



　「静岡の蔵元のお酒を集めるのでしたら、便利なのがありますよ。」

　「静岡県酒造組合から出されている静岡のお酒のパンフレットがあります。」

　「蔵元の所在地から、どこの酒屋さんで売られているかまで書かれています。」


　「これはいいですね。」
　「もらえますか？」

　「はい、いいですとも、どうぞどうぞ。」


　お客様にも喜んでいただき、ご友人さんらの分までお持ち帰りになりました。


　静岡県外の一般消費者の方々にまで、静岡酒の良さが浸透してきたのでしょうか。
　うれしくなりました。