2009年11月28日

末広の山廃純米吟醸に脱帽

福島県にあります末広酒造。
ここは山廃仕込を世に広めた技術者を向かい入れ、
今も伝統の山廃仕込を行っている蔵元であります。

山廃純米吟醸が出来たとのことですから、是非売ってみたいと申し出ました。
最低ロットの720ml-6本が到着。

冷えている状態からきき酒し、徐々に温度を上げていきます。
乳酸無添加酒らしい厚みと幅を感じます。
このふくらみは乳酸を添加しているお酒では出せないところ。

ところが新酒では出せずに、ある程度熟成が必要な事情があるのでしょう。
(硝酸還元臭が主な理由。)そんなことはどうでもいいか。

冷や、ぬる燗、上燗でも老ね香が前面に出てきてしまいます。
これは熱燗しかダメかなあ。
55度くらいまでつけてみました。
末広の山廃純米吟醸に脱帽
さすがにこうすれば老ね香は目立ちません。
味わいのふくらみにアルコールの辛さがまじわって、
燗酒の極みも感じることができました。

私としては、せっかく純米吟醸との表記があるのですから、
老ね香がしない、吟醸香があるお酒にしてほしいなあと思いました。

おつまみは熱燗にあうカブの漬物。
末広の山廃純米吟醸に脱帽
この晩はこんな風に納得して寝たのでありました。


私は720mlのお酒を一晩では飲みきれません。
しばらくはそのお酒とお付き合いをすることになります。



翌日も末広の山廃純米吟醸をテーブルにセット。
一日経って、もしかしたら、香味が変わっているかもしれない。
こんな期待をして、冷や(常温)にて味わいました。
やはり昨晩と同じ香味です。

今夜も熱燗でいこう!
徳利に末広山廃純米吟醸を入れて、燗付け開始。
燗がつくまでは冷やで待っていました。

今晩のおつまみは山芋と鰯の煮物。
茶色系です。
末広の山廃純米吟醸に脱帽

末広の山廃純米吟醸に脱帽
まずは末広山廃純米吟醸とこれらをあわせることになります。
私は燗のつくのを待っているわけですから、
半分は仕方ない気持ちであります。

しょうがないなあと、半ばあきらめの気持ちがありました。

山芋と末広山廃純米吟醸の冷やをあわせたそのときのことです。
山芋の風味にお酒の老ね香が完全にマスキングされています。

お酒の香りは感じることなく、お酒の味に導かれるように
膨らんだ山芋の旨味が、私に訴えかけます。


この組み合わせはではないか!
俺はどうして、熱燗じゃあないといけないなんて勝手に決め込んでしまったのだろう。

末広山廃純米吟醸のおかげで、こんなにも山芋が美味しくなるなんて。

まったく、私は脱帽であります。

燗をつけかけたお酒を冷やで飲み反省です。



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