2010年02月11日

人気銘柄のサイクル@本日のお客様45

酒屋の私はびっくりしてしまいました。
私の思ったこととは逆のセンス。
内心、としを感じてしまいましたよ。

私よりも上の世代に話題になるお酒に「越乃寒梅」や「剣菱」などがありました。
これらが非常に売れていた頃の私は若くて、
これらの銘柄はおじさんたちの飲むお酒なんだなあ。
そんな風に年代のギャップを感じていたものです。
飲み方も自分たちとは違っていたからかもしれません。

3梅の後には「八海山」「上善水如」「久保田」などの新潟勢の台頭がありました。

吟醸酒ブームがあり、各地の地酒がブランド力を付けました。
特約店制度や幻販売方法で、ブランド力を持続させようとしています。

どこかの銘柄がある方法で成功しますと、他の蔵元も同じように追いかけます。
蔵元が酒販店らを組織化する会も久保田の成功があってのことです。

山形の「十四代」や静岡の「磯自慢」は香りの高い冷酒としての知名度は高く、
お酒を飲まない方でも知っているほどの全国区であります。

県単位や地方ごとの酵母開発競争もありました。
その結果、ちょっとお酒を知っている消費者さんでも
カプロン酸などの単語を使うようになりました。

と、これらのことも、もう昔のことだとの印象が芽生えていると思われます。

若者の日本酒離れと騒がれますが、日本酒に対して魅力を感じないからでしょう。

今日いらしたお客様はこれまでの人気銘柄、上にも書いてあるような、
今も売れている銘柄についても、「おじさんくさい」と言います。

名前を聞いただけで、飲む気がしないとも言います。


そうかあ、私よりも上の年代の方々にとっての○の銘柄は、
私の年代にとっては△であり、
私の年代にとっての○は、
若い世代にとっては△であるのですね。


こうして人気銘柄は時代とともに変わっていく。
人気銘柄のサイクルを肌で感じてしまいました。


これから人気が出て次の時代を象徴するのは、
これまでにない何かを持っている銘柄ですね。

その一つとして、乳酸無添加酒があるのではと思います。

醸造アルコールの是非が問題となり、人気が出た純米酒。
でも米・米麹の他に、食品添加物である乳酸が添加されている。

乳酸を添加すれば、短期間に楽にきれいな香り高いお酒ができる。
乳酸も水加工する塩(えん)も添加しない、本物の純米酒を求める。

こんなことも想像してしまいました。



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Posted by 丸河屋酒店 at 14:30│Comments(0)日本酒
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