2009年06月03日

きき酒テクニック5:は桶酸化臭

 お酒の瓶の中には空気が入っていたりして酸化します。

 新品の場合は空気と液体の量の比から、すぐに激しく酸化することはありません。

 しかしながら、瓶詰めされて、時間が少ししか経っていないのに酸化されたお酒もあります。
 酸化臭があるのでわかります。

 酸化による臭いの第一段階として、紙のような臭いがしてきます。
 場合によっては、ひどくなりますと、ダンボールのような臭いになるのがあります。

 紙のような臭いはどこでついてしまったのか?

 瓶内ではないとすれば、その前であります。

 その前とは貯蔵タンク内。


 気の利いた蔵元は、密閉と低温でお酒を貯蔵する容器を使います。

 確かに外部との接触はありませんし、低温ですから、貯蔵にはもってこいです。


 でも、徐々に出荷されていくとなりますと、徐々に抜き取れらていきます。

 タンク内の液体であるお酒の量は減り、空気の量は増えていきます。

 ここで初期的な酸化臭がついてしまうようです。

 ここから出して濾過すれば、酸化臭は取れます。

 濾過をすると旨味など長所も取れてしまい、
 何のためにこの重宝なタンクを使っているのか、意味がなくなってしまいます。

 したがって、そのまま瓶詰めとなるわけです。


 タンクの中のお酒が中途半端に入っている状態を「は桶」と呼びます。

 ここから、このことが理由でついた酸化臭をは桶酸化臭(はおけさんかしゅう)と私は呼びます。


 は桶酸化臭はどの本、どのサイトを見ても出てこないでしょうね。

 私はズケズケ言いますが、普通は蔵元には言いにくい言葉です。

 は桶酸化臭、おぼえておいてください。
きき酒テクニック5:は桶酸化臭



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Posted by 丸河屋酒店 at 20:30│Comments(0)きき酒テクニック
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