2012年03月26日

平成24年 静岡県清酒鑑評会一般公開

 今年の静岡酒の鑑評会出品酒の一般公開がありました。

 私も大吟醸(吟醸の部)と純米大吟醸(純米吟醸の部)、
あわせて約50酒くらいをきき酒してきました。

 毎年この日は特別な一日であります。

 「吟醸酒が存在し、それを味わえる時代に生きていることへの感謝」

 こうやって今日を締めくくり、明日につなげることが造り手以外が思うこと。


 さあさあ、はじまるよとまるちゃんボード片手に入場。

 さっそく人たかりにあう。

 私とは逆に会場から出てくる人々からは、
「美味しかった」「特に純米大吟醸がいいねえ」
などとお褒めの言葉が多かった。

 というか、欠点を見つけた人や悪い言い方ですが、
けなす人は皆無だと思った。

 以上は実際に口から放たれた言葉の場合であります。

 では、実際に心からすごい逸品が並んでいるなあと
思った人はどのくらいいるのか。

 そんな心配をさせる声もあったのにびっくり。
「これって普通のお酒とあまり変わりないじゃん」
「こういう会まで開くんだから、もうちょっとすごいお酒があるかと思った」

 この方は少々がっかりされて帰られたので気になりました。

 上のようなご意見を聞き、二つの意味合いがあるのではと考えた。

1.静岡県のお酒は出品酒も市販酒もそんなに変わりない。
  つまり、出品酒同様に市販酒も力を入れている。

2.驚きのないお酒たち。
  想像の範疇に入る退屈なお酒達に何の賞が与えられるのか。
  自画自賛でいいのか。
  本当の意味での公の会にすべきではないか。

 (私が退屈しているということではありませんので)


 思えば昭和61年。
 想像を超越した静岡吟醸酒達が全国新酒鑑評会を大いに沸かせた。
 それは比類ない要素があったからだ。酒質的には開運酵母の特性。

 堂々と一般公開することとして、ここが原点かもしれない。

 今はもしかしたら、静岡県の酒業界の人たちよりも、
一般消費者の方が全国の吟醸酒を経験しているのかもしれない。

 率直にそんな心配を抱えての帰途でありました。


 肝心な酒質としては、上位常連が数年前から、ここ数年と変化が現れています。

 果実分けしますと「青リンゴ系」「マスクメロン系」「赤い果実系」となります。
 どの蔵がどの系統に入るかは、ここでは申し上げません。

 どの系統が有利かは、その時の審査員によるところが大きいと思っています。
 上位がどこかの流れはありますね。


 静岡県の吟醸酒の出来はどうか。

 今日並んでいるお酒の全体を見ることも大事でしょうし、
各々の蔵元の今年と昨年までのと比べることも大事です。

 例年よりも素晴らしい香り高きお酒が3酒。
 抜群なトータルバランスを誇った1酒。
 (これがスケールアップしたら確実に1位)

 HD-1癖が出ているのが1酒。
 酢酸エチルが出ているのか2酒。


 酒質以外のことで、総合的に「数が少ない」のが最大の感想かな。

 きき酒できる出品酒が50くらい。
 少し前は80くらい。
 もっと前は150くらい。

 入場者も減っている。
 以前は静岡県外がもっといらっしゃった。
 今は一人当たりの滞在時間が長い。
 前は着物を着ている人もけっこういたもんだ。
 若い女性が少なくなった。


 新規の人が少ない=新鮮味がない


 特に気になっているのが、酒販店の人の数。

 県内外ともに激減。

 これは急所になる可能性大と推測しています。

 なぜ酒販店は来なくなってしまったのか?

 いろんな酒販店の方からのお話で納得しています。



 いずれにしても、今日これだけの静岡吟醸酒があった。

 ほっとするところであります。



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Posted by 丸河屋酒店 at 19:48│Comments(0)業界裏話
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