2008年11月15日

日本盛はよいお酒、惣花


 40歳未満の方はご遠慮ください。
 40歳になったら飲むお酒です。

 人生の味がわからなければ、このお酒の醍醐味がわかりません。

 私が最初に日本盛の純米吟醸惣花に出会ったのは20代でした。
 肩書きに惚れました。
 皇室御用達。皇室の行事で使用される1本であるからです。

 皇室御用達は昔から日本盛、櫻正宗、菊正宗の3社のみ。

 御成婚の儀は日本盛。
 納菜の儀は日本盛か菊正宗。
 春の園遊会は櫻正宗。
 秋の園遊会は菊正宗。

 それぞれの銘柄は次です。
 日本盛 惣花
 桜正宗 金稀
 菊正宗 雅

 日本盛の惣花はこのようにお高い席で使われてきたこともあって、一般への販売はしていませんでした。

 それが解禁。

 皇室御用達のお酒がどんなものなのか、20代の私は期待が大きく、日本盛の惣花に対して羨望のまなざしを向けていました。

 ところがです・・・・。

 私の感想は「これが純米吟醸? これが皇室御用達?」。

 本物の皇室御用達と一般への販売のお酒は違うのではと疑問を抱きました。
 それについて、日本盛へ質問したところ、「同じですよ。」との返事。

 このお酒を全国新酒鑑評会に出品しても、通らない酒質なのになあ。
 よくわからないなあと、心の片隅にしこりを残していました。

 お酒に純米吟醸らしい華やかさとまろやかさが感じられないからです。
 お酒っぽい匂いがして、高級酒には感じられませんでした。

 当時は吟醸酒ブームが起こっている最中で、老いてしまっている香りがするお酒はすべて保存管理が悪い状態におかれてしまったかわいそうなお酒と判断されていました。

 30代の私も日本盛惣花の良さを見抜くことができませんでした。
 熟成酒を勉強していても、老いてしまっている香りする純米吟醸表示のお酒に対して許せないものがありました。

 あれから私の人生も変わりました。
 結婚、3人の子供の父親、お酒の講師

 独身時代ほどに仕事にも費やせる時間がなくなりました。
 自分の時間がなく、自分のことや仕事について一生懸命になりたくても、それを環境がさせてくれません。回りに不平不満をぶつけても改善されないことはわかっているので、自分が変わらなきゃ。

 そこで幸せ感を変えました。
 子育て10年、子離れ10年とどこかのお寺の門にも書いてありました。
 仕事量が減らされても、自分の時間がなくなっても、それが幸せ。
 子供と密に接するのは小さいうちだけ。
 そのうち女の子はお風呂にもいっしょに入ってくれなくなるでしょう。

 今は子育てを中心に回す。
 それが後々になって良い結果をもたらす。
 このように気持ちが変化しました。

 気苦労が多いですよ。
 そんなせいもあって、日本盛惣花の味がつかめてきたのではと思います。
 どうしてこのような状態で存在しているのかが見えてきました。

 日本盛惣花は純米吟醸ではあるものの、一般に流通している地酒の純米吟醸のそれとは違います。酒の味、それも奥義の味で判断しなくては、この良さはわからないです。

 上質な兵庫県産の山田錦を使用し、一度火入れした新酒を2年くらい常温で貯蔵してあると思われます。蔵出しする直前に濾過と二度目の火入れをしてあるのではと考えられます。愛知県の義侠の縁がこのタイプであります。義侠の縁は3年熟成させています。

 貯蔵する=熟成

 かぐわしい新酒を熟成し始めますと、味が香りになったかのように、味わいが増えます。重くなるかのようです。このまま長期熟成をしていきますと、アミノカルボニック反応により、甘みが出てきます。

 どこまで熟成させるか。
 それが一つのポイントであり、生産者の思惑であります。

 昔の杜氏はよくこう言ったものです。
 「よく、しぼりたての新酒を飲めるなあ。」
 「生酒は飲めないよ、お酒らしくない。」
 「しぼったばかりの生原酒を飲むなら、どれもそう代わり映えはしないしな。」
 これは昭和50年代の話であります。
 あの頃の杜氏さんたちももうお亡くなりになっている方がほとんでしょう。
 きっと彼らは日本盛惣花のようなタイプを良しとしていたのではないかと思いも馳せます。

 冷蔵管理しているものですから、冷たい状態から飲み始めました。
 純米酒らしい酸味は感じるものの、もっと味が開けてきてほしいなあ。
 720mlが常温になるまで待つと、明日の朝になってしまう。
 そんなには飲んではいられない。

 そこで燗をつけました。
 人肌燗から熱燗まで試しました。
 40度弱のぬる燗がいかしてますね。

 ぬる燗で旨味、酸味、甘味のバランスがよくなります。
 お酒っぽい匂いの他に、炊き立てのご飯の湯気の香りが立ち上がりました。

 お酒だけで完成されているこの調和。
 流石は皇室御用達だけありますよ。

 日本盛惣花に敬意を表して、わさびも井川朝市で買った本物をサメ皮で摺ってシメサバとタイのお刺身でいただきました。
 サバの海の香り、わさびの陸の香り、上品な歯ごたえのタイ、そして日本盛惣花の偉大さに包まれて、高位な晩酌のひと時を過ごせました。

 日本盛惣花は720mlで1,620円です。

 丸河屋の冷蔵庫に入っています。  


Posted by 丸河屋酒店 at 18:00Comments(2)日本酒

2008年11月15日

メールマガジンを配信

 私はこのブログの他、自分のサイトを運営し、まぐまぐからメールマガジンを配信しています。

 ”酒縁に感謝 ” 静岡 丸河屋 「ただいま」

 メルマガを読んでお酒のある生活の素晴らしさを実感するお手伝いができればいいなあという目標に添った内容であります。


 私自身がお酒を飲んでいますから、こんな感じですよ。

 まあまあ、毎日ってわけではないですけどね。

 ほぼ毎日かな。

 いやいやウィークデイはなるべく飲まないようには努めています。

 ただ、つまみがあると、ご飯のおかずにするだけでは申し訳ないという気分になってしまうわけですよ。かなり言い訳じみています。


 まぐまぐからのメルマガ内においては、商品の紹介はしていません。

 丸河屋のお酒だけがいいぞ、となるわけではなく、広い意味でお酒類全般を見たいからであります。

 安易な宣伝は品位を落下させる恐れがありますよね。


 今日は182号を配信しました。1999年の9月に開始。よく続いているものです。

 どういう内容かは、次からご覧いただけます。
 丸河屋のメルマガ ただいま

 読者数は1,000名弱みたいです。
 ありがたいことですよ。

 どの方が読んでいるかは私にはわからないシステムです。
 購読はこちらからできます。解除も簡単です。
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Posted by 丸河屋酒店 at 16:31Comments(0)